コラム

予防接種(定期接種)

2025.06.18 前理事長コラム

当院で接種できるワクチンは下記の通りです。定期接種は期間内であれば無料です。予約制ですので電話か来院時に予約して下さい。

ワクチンの接種間隔の規定変更

厚労省は令和2年10月1日からワクチンの接種間隔の決まりを変更しました。
異なるワクチンの接種間隔について、注射生ワクチンどうしを接種する場合は27日以上あける。その他のワクチンの組み合わせについては、一律の日数制限は設けないことになりました。
「注射生ワクチン」の接種後27日以上の間隔をおかなければ、「注射生ワクチン」の接種を受けることはできません(変更なし)。

ワクチンの種類について

<注射生ワクチン>
麻しん風しん混合ワクチン・水痘ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチンなど

<経口生ワクチン>
ロタウイルスワクチンなど

<不活化ワクチン>
ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチン・4種混合ワクチン・子宮頸がんワクチン・日本脳炎ワクチン・季節性インフルエンザワクチンなど

R2.10.5更新

ロタウイルスワクチン

ロタウイルスワクチンは令和2年10月から定期接種になりました。冬に流行する白色便を伴うロタウイルスによる嘔吐下痢症の予防をします。

(1)ロタリックス(2回接種ワクチン):
4週間隔で2回接種します。生後14週6日までに1 回目を受け、生後24週(168日)までに接種を完了します。

(2)ロタテック(3回接種ワクチン):
4週間隔で3回接種します。生後14週6日までに1回目を受け、生後32週(224日)までに接種を完了します。

※いずれのワクチンも1回目(初回)の接種は生後14週6日までとします。
※ワクチンは2種類あり、どちらのワクチンも効果・安全性に違いはありませんが、対象者、接種回数等が異なりますので必ず同じ種類のワクチンを接種します。

内服時に吐き出した場合、再投与は行いません。
接種間隔の縛りはありません。次回は同じワクチンを27日空けて接種できます。
現在当院では2回接種のロタリックスを主に使用しています。

WHOでは生後15週までに初回接種するように勧告しています。以前開発されたロタシ-ルドでは初回の開始が遅れたためか腸重積が増加してワクチン接種は中止になりました。日本人は腸重積の頻度が米国より高いので因果関係を疑われないように接種開始をできるだけ早期に接種をお勧めします。
治験段階は初回接種は12週までで行っており、当院では生後3ヶ月未満の児に初回接種を推薦します。
令和2年10月からは翌日でも他のワクチンを接種することが可能になりました。
2ヶ月で本ワクチンとヒブ、肺炎球菌、B型肝炎ワクチン。3ヶ月で4種混合ワクチンを加えて3~5本の同時接種を当院ではお勧めしております。

3回接種のロタテックも希望があれば接種します。2~3日前に予約するときに希望を伝えて下さい。

R2.10.5更新

B型肝炎

平成28年4月生まれの方は10月から定期接種になりました。

生後2ヶ月から開始して4週間隔で2回。初回から20週から24週後に3回目。計3回です。2回目が予定通りにできなかった方は2回目と3回目の間隔が7日あれば定期接種として扱われます。お誕生日前に3回接種を完了しないと残りの回数は自費になります。

生後2ヶ月のヒブ、肺炎球菌、ロタワクチンとの同時接種での開始がお勧めです。B型肝炎ワクチンは母子の血液を介した垂直感染予防が対象でした。しかし、途中で中止してしまう方なども多く、成果が不十分であることが明らかになりました。一方、早期接種が遅れると、保菌者である祖母や祖父などから口移しなどで感染して劇症肝炎を発症した報告もあります。保育園などでの涙や咬んだり咬まれたりでの唾液を介した感染の存在が最近注目されてきました。実際保育園での集団感染も報告されています。1歳未満で感染すると高率に一生ウイルスが体内に留まります。保菌状態が長く続くと肝硬変から肝がんに進行してしまいます。これはがん予防ワクチンでもあります。このため感染する前の早期接種が重要です。乳児期の早期接種が抗体の獲得には有効です。年齢が高くなるとワクチンに反応しない人が(抗体を作らない)人の割合が増加します。また、成人では性感染症としての側面が注目されています。この面でもリスクの前の予防が大切です。

最近、欧米型で長く体内に留まり、肝硬変から肝癌に移行しやすいタイプが国内で増加しています。その為全員に接種することが勧められていました(universal vaccination)。

ワクチンには2種類あり、互換性が認可されています。そのうち現在ヘプタバックスは供給停止中です。当院ではビームゲンを接種しています。

又、海外出張する年長家族には自費ですが特に必要です。当院ではB型抗原量が多く、抗体産生が良好なTwinrixを勧めています。何回接種しても抗体が出来ないノンレスポンダーにはこの他に皮内接種も行うことがあります。

R2.4.6更新

不活化ポリオワクチン

生後3ヶ月から接種開始です。

1期は20日から50日の間隔を開けて3回接種します。
2期は標準的には3回目の接種から1年から1年半後に接種します(6か月後から定期と認められます)。
米国では4歳までに4回接種を終了した時はそれ以後にもう1回接種するように勧められています。日本でもIPV接種した児のポリオ抗体が低下する年齢を迎えた頃には厚労省が対策を示すと思われます。

現在の成人のポリオ抗体価は3型では70%ほどしか抗体を持っていません。海外への長期出張には1回の追加接種(任意接種=自費)が勧められます。

当院で自費の不活化ポリオを接種された方は不活化ポリオへの対応の欄を参照して下さい。

通常の4種混合が2歳までに終了しますが、Sanofi Pasteur社の調査では4歳では抗体が低下傾向のあることが報告されています。5回目のポリオ接種必要性が報告されています。

H28.3.25更新

BCG

乳幼児の重症結核の予防を目的にしています。
接種時期は早期接種によるBCG骨炎の発生があり、以前よりは遅く接種が推薦され、生後3ヶ月から6ヶ月までから変更されて、3ヶ月から12ヶ月が定期接種です。標準的には生後5ヶ月から8ヶ月までの接種となりました。
生後2ヶ月からヒブや肺炎球菌を接種し、3ヶ月から4混を開始し、4混の3回目と同時かその7日後を目途に接種します。集団接種では4混後7日以後でしたが、個別接種では同時接種がおすすめです。
通常は左上腕に接種します。湿疹などの皮膚の異常があれば治療が必要です。事前に受診して下さい。
1才を過ぎると効果が薄くなるので、定期接種ではなくなり自費になります。0才の間に接種して下さい。

R2.4.2更新

4種混合ワクチン(DPT+ポリオ)

生後3ヶ月~90ヶ月に4回接種します。1期は3ヶ月から接種可能です(20日から50日の間隔)。通常4週間隔です。追加1回(3回目から1年~1年6ヶ月後)。急ぐ場合、6ヶ月空ければ定期接種です。出来るだけ生後3ヶ月に入ったらヒブ、肺炎球菌などと早期に同時接種して下さい。
平成24年11月から導入されたワクチンです。三種混合ワクチンにSabin株(弱毒生ワクチン=経口ポリオワクチン)を元に作った世界で最初のポリオワクチンの組み合わせです。ポリオワクチンの抗体価がいつまで続くかについては数年後には調査が必要です。アメリカのCDCは強毒のSalk株(強毒株=日本ではイモバックスポリオ)でも4歳未満で4回接種を終了した児童はもう1回追加が必要としています。

平成27年12月にIMOVAXPOLIOと日本の3種混合の4混が発売になりました。世界的に認められて、実績のあるIMOVAXPOLIOを用いるものです。当院ではこちらのワクチンを主に接種しております。

百日咳の新しい診断法としてLAMP法が認可されました。R1年に当院だけで40人近くの百日咳が診断されました。4回接種した児でも3歳から罹患してしまいます。家族内感染では生後2ケ月や4ケ月の早期でも罹患しています。最近の報告では5歳で百日咳の抗体は低下してしまう児が多く、小学校入学前にもう一度3種混合ワクチンTRIBIKを接種することが検討されています。この場合は4混ではなくポリオと別に接種します。

R2.4.6更新

麻しん風しん混合ワクチン(MR)

1期:生後12ヶ月から生後24ヶ月に至るまでの間に接種します。
2期:小学校入学前の1年間。3月31日まで。

タマゴアレルギーがあってもショックを起こすほどでなければ接種可能です。1期では接種7日後くらいに発熱が10%程度見られます。肺炎球菌やヒブワクチンと同時接種できます。水痘やおたふくかぜも一緒に同時接種可能です。1期と2期の期間を外れると有料です。期間内に接種しましょう。

R2.4.3更新

ヒブ(Hib)ワクチン

生後2ヶ月から開始します。21日から56日間隔で3回接種します。
3回目から7ヶ月以後に13ヶ月後までに追加接種(4回目)します)。
3回目から1年後だと2割の児で抗体価か感染防御レベル以下に低下するので1年待たずに7ヶ月以上空けて早期に接種がおすすめです。

初回が7ヶ月以後に場合:21日から56日間隔で2回接種し、その7ヶ月後から13ヶ月後に3回目を追加接種します。

生後1歳以後開始:1回のみ接種(5歳未満は全額公費負担)

早期からの同時接種がおすすめです。

ほとんどの県で生後早期の髄膜炎がなくなりました。摂取率を維持していくことが重要です。

R2.4.21更新

小児用肺炎球菌(プレベナー)ワクチン

生後2ヶ月から開始:27日以上の間隔で3回初回免疫として接種します。2ヶ月以上空けて1歳になったら追加接種1回です。(計4回)。

生後7ヶ月から開始:27日以上の間隔で2回初回免疫として接種します。2ヶ月以上空けて1歳になったら追加接種1回です。(計3回)。

生後1歳以後開始は2ヶ月間隔で2回接種

生後2歳以後開始は1回接種(5歳未満は全額公費負担)

接種翌日までに10%程度の人が発熱しますがほとんどは1日で解熱します。

同時接種がおすすめです。

R2.4.21更新

日本脳炎

6ヶ月から90ヶ月まで(3歳以上が基本) 1期2回・1期追加(1年後)1回
2期:9歳~13歳の誕生日前日まで。

平成23年5月30日からは生後90ヶ月を過ぎても、平成4年4月2日から平成19年4月1日まで生まれの人で上記の接種が済んでいない方は20歳までは接種できます。母子手帳と接種者コードをお持ち下さい。お持ちの方は予診表をお持ち下さい。太田市在住の方の予診表は医院にもあります。

平成27年9月には千葉県で0歳児が日本脳炎に罹患し、後遺症を残しました。
小児科学会も早期の接種を勧め始めました。

https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=197

平成26年9月では千葉県の日本脳炎の抗体を有する豚は0%でしたが、平成27年には90%に急に増加しています。現在、群馬県の豚の抗体保有率は低くても安心はできません。
早期に接種を開始する必要があります。

なぜ3歳から接種開始なのかの根拠は前記の小児科学会の提言でもはっきりしません。
同時に早期に0.25mlで接種開始しても定期接種であり、無料です。2期まで抗体は持続すると記載されています。

無菌性髄膜炎と診断された人の髄液から日本脳炎ウイルスがPCR法での検査で見つかっています。日本脳炎ウイルスはいないわけではありません。

R2.4.21更新

子宮頸がん(HPV)ワクチン

中学1年生から高校1年生まで
初回、1ヶ月後、6ヶ月後(サーバリックス)
初回、2ヶ月後、6ヶ月後(ガーダシル)

子宮頸がんワクチン接種後に疼痛を伴う異常行動(複合性局所疼痛症候群と呼ばれ、骨折・捻挫などの外傷をきっかけとして生じる、原因不明の慢性の疼痛症候群)が報道され、平成25年6月に厚労省は積極的勧奨はしないと曖昧な表現を使いました。原因と因果関係は不明です。海外ではこうした副反応は日本ほどの頻度では報告がありません。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000055692_2.pdf

中止により20年後に日本のみが子宮頸がんで亡くなる女性が減少しない国になる危険もあります。危険性と効果を考慮して接種して下さい。
あくまで定期接種であり、無料で受けられます。

H28.3.25更新

麻しん単抗原、風しん単抗原

MRワクチンと同じ時期に接種できますが入手が困難な場合があります。事前に連絡をして下さい。

H28.3.25更新

みずぼうそう(水痘)

生後12ヶ月から36ヶ月に至るまでの間の児。2回接種が基本です。
標準的には1回目から6~12ヶ月の間に2回目の接種とされています。
国立感染研のデータでは1回接種から1年で20%の児が水痘に罹患したと報告しています。早期に2回目の接種を受けることが重要です。罹患する前に初回接種から3ヶ月から6ヶ月に接種を勧めています。

https://www.know-vpd.jp/vpdlist/mizubousou.htm

水痘とおたふくかぜは同時接種できます。

生後36ヶ月以後の方の接種は自費当院ではです。

2回接種法が普及してから典型的な発疹が見られる症例は減りました。当院ではVZV抗原キットも用いて診断をしています。

R2.4.21更新

ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)

生成人の重症肺炎球菌感染の予防のワクチンです。
指定された年齢のみの方が1回0.5ml筋注します。
年齢は市の広報などで確認して下さい。

2歳以上の免疫不全児には定期ではなくても接種可能です。

H28.3.25更新