予防接種(同時接種)
ワクチンの目的は早期に十分な抗体を作り、感染や発症の防止をすることです。ヒブや肺炎球菌の髄膜炎は生後6ヶ月から1歳までが最も多いのですからその前にワクチンで抗体価を高くしておく必要があります。生後2ヶ月には肺炎球菌は鼻腔には定着していませんが、生後6ヶ月には定着が確認されます。定着した肺炎球菌の型にはワクチンを接種しても抗体価が上がりにくい事が報告されています。ヒブや肺炎球菌も2回より3回の方が効果があるとされています。早期に接種することが大事です。又、感染の機会が増大する可能性のある来院回数を出来るだけ少なくするためにも同時接種を推薦しています。
逆にバラバラ(単独)接種では接種回数×7日間か28日間の間隔が空きます。接種の順番と罹患の順番は期待と同じではありません。百日咳より先にヒブ髄膜炎に罹患するかもしれません。米国在住の日本人や日系人も同様な接種をしています。日本人が特別ではありません。
https://www.aimtoolkit.org/docs/Giving_all_doses_under_12mths.pdf
当院では生後2ヶ月でのヒブ、肺炎球菌、B型肝炎とロタウイルスに始まり、3ヶ月ではヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合ワクチン、ロタウイルスの接種を推薦します。1歳でMRワクチンと肺炎球菌、ヒブ、水痘、おたふくかぜの同時接種も可能です。インフルエンザと日本脳炎の同時接種も行っています。
不安に思う両親もおられますので、希望があれば別々に接種もいたします。
定期接種と任意接種を同時接種して副反応が出た場合、定期接種が原因として国が補償するのが原則です。
任意接種での補償よりは手厚くなっています。任意接種で太田市が入っている保険に支払いの必要がないため、市の支払いも必要ありません。補償の観点からも同時接種の方が有利です。
今回のロタウイルスワクチンを接種しようとすれば、同時接種は避けて通れません。
R2.4.6更新